【モンテッソーリ教具】三項式キューブの提示方法をご紹介。おうちでやってみよう!
三項式キューブの特徴
三項式キューブは、「同じ色」「同じ大きさの面」を合わせて積み上げる、モンテッソーリの感覚教具です。
サイズ・色・形を識別する能力を発達させ、子どもは挑戦を楽しみます。
赤、青、黄の順に長い辺で構成された27個のキューブを触りながら、公式を感覚的に学ぶことができ、教具を通じて子どものパターンと関係性を見つける能力を引き出すことができます。
「提示」と「おしごと」
三項式キューブの具体的な提示方法について紹介します。
単に子どもにこの教具を与えても、積み木として遊んで終わってしまうかもしれません。そのため、まずは実際に大人が使い方をやってみせることが必要です。
モンテッソーリ教育では、これを「提示」と言います。
「提示」することは大人の重要な役割です。提示をして子どもが一人でできることが増えることは、子どもの自立を助けることになります。
また、大人が生きるために必要な活動である「仕事」。
モンテッソーリ教育では、子どもにとって発達や成長に必要な活動を「おしごと」と呼びます。おしごとはやらされるのではなく、子ども自ら「やりたい!」と思ってもらうことが重要です。
そのためにも、大人が楽し気にそれをやってみたり、子どもが興味関心を持つように上手く促すことを意識してみましょう。
そこで上手くできたら満足感や達成感を得て、自己肯定感も上がり、また新しい何かに興味関心を持つようになるとモンテッソーリでは考えられています。
おうちでもまず初めにお子様に提示をして、自分ひとりでおしごとできるように取り組んでみてください。
提示する際に心がけること
- 子ども自ら「やりたい!」と思ってもらうことが重要
- 動作はゆっくりとわかりやすく
- 「言葉」と「動き」は別々にする
- 子どもが練習している時は、大人はじっと見守る
子どもを誘ってみよう!
「一緒に三項式キューブしよう!」と誘ってみます。
何となく気分が乗らない時もあると思うので、そんな時は別の機会に声掛けしてみましょう。
子どもがヤル気になっているなら、三項式キューブの持ち方を教えて、おしごとする場所まで持っていく様に伝えましょう。
できれば、普段から見える決められた場所に教具があるのが理想です。そうすれば、次から「やりたい!」と思い立ったら、自分ひとりで作業に入れますね。
箱の扱い方
大人が提示する
- 赤いキューブが右上になるように箱を置きます。
- 子どもに箱の開け方を教えましょう。
- 蓋を取って、箱の対角線上に置きます。
- 箱の側面を一つずつ開いて見せましょう。
- 側面を一つずつ閉め、蓋を箱の上に置きましょう。
※各種モンテッソーリ協会によって提示方法が異なる場合があります
子どもがやってみる!
「次は〇〇くん(ちゃん)の番よ。箱を開いて、閉じてみて。」
と伝えて、お子様自身で提示した内容ができるかやってみましょう。
キューブの取り出し、組み立て方
大人が提示する
- 三段目、二段目、一段目の順番で取り出して、キューブの高さが変わらない様に机の上に置きます。
- 「三項式キューブの組み立て方を教えるね。」と伝えます。
- 後に取り出した順番で、キューブを組み立てていきます。
- 全部組み立て終えたら、側面を閉じて蓋をかぶせます
※各種モンテッソーリ協会によって提示方法が異なる場合があります
子どもがやってみる!
今後は子ども自身でキューブを取り出して、組み立ててみます。
最初はうまくできないかもしれません。大人は間違いがあっても口出しせず見守り、必要に応じてもう一度大人がやってみせましょう。
子どもが間違った時はチャンスです!
大人は見守り、子どもが自分で気づくチャンスを奪わないように。
投げだしそうになったら、
「何回も挑戦できたね!」
「ここまでできたね!」
と頑張りを認め、
「もう一回やってみようか」と励ましてあげましょう。
その後、やるかやらないかは子どもに任せればよいのです。
ここまで紹介した、箱の中からキューブを取り出し、そのキューブを1つずつ戻すのが、基本的な練習方法です。
それ以外にも、
- 同じ種類のキューブを集めてみたり
- 同じ大きさの面で積み上げてみたり
- 箱の外で組み立てたり
- 目隠しをして、指で幅・高さを感じ取りながら積み上げたり
色々な応用方法で学ぶことができます。
さいごに
子どもが選んだものが、その時のその子どもの発達段階(モンテッソーリの敏感期)にぴったりだった時、子どもは集中して最後までやろうとします。
自分がやりたいだけ、自分のペースでそのお仕事を終えた時、子どもは満足感と達成感でいっぱいのはずですよ。
「ひとりでできた」の経験で自己肯定感があがった結果、子どもはまた新しい何かに興味関心を持って集中します。このループを繰り返すことで、子どもの能力はグングン成長していくことでしょう。
三項式キューブは二項式キューブよりも複雑で、大人でも最初は練習が必要だと思います。お子様も最初は難しいと思いますが、たくさん練習することでこの教具の特性を感覚でつかんで、ひとりでもスムーズにできるようになると思いますよ。